ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

ラジコン談話④「70%の力で飛ばせ!」

最初に断っておくが、表題はスロットルを70%に保持して飛ばせということではない。
また、この言葉はラジコン界の巨匠や重鎮のものでもない。
大変恐縮ではあるが、実は私の言葉であり、その理由を述べさせていただきたい。


私は以前、仲間と一緒に信州へフライトツアーを実施していた。

諏訪湖から吹き上がってくる風が霧ケ峰の斜面に沿って舞い上がり、それが上昇気流となってグライダーはプロペラを回すことなくいつまでも飛んでいる。


その不思議な体験をしたパイロットはグライダーに魅了され、スロープソアリングの世界に引きずり込まれる。


大自然の中で飛ばすグライダーは爽快で、これにのめり込むと力が入り過ぎて持ち込むグライダーは年々大型化し、ハイスピード化の道を突き進む。


するとどうなるかというと、そこら辺にガサガサ、ドスッとグライダーが墜落する。

私たちはツアーで来ているので、その日か翌日には帰らなくてはならないので必死になってグライダーを探す。


地面には熊笹が生えているので機体にはたいした損害は無いのだが、夢中になってグライダーを探していると目の前の地形が崖だったり、大きな穴が開いているのに熊笹で隠れていたり、下手をすると滑落というリスクがある。


そこで私が言った言葉は
「遠征は70%の力で飛ばせ! 後の30%は余裕で取っておけ!」
だった。


それ以来、みんな飛ばし慣れた機体を持って来るようになり、斜面ギリギリをハイスピードで駆け抜けるような飛ばし方はしなくなった。
おかげで墜落は激減し、みんな無傷で家路に着けるようになった。


スロープソアリングの世界だけでなく、毎週通い慣れた飛行場でも同じことがいえる。
土手の上にギャラリーが大勢集まっていたり、仲間が注目している中で新作機を飛ばすとなると、ついつい無理をしてしまう。
そんな時こそ「墜落」という魔の手が待っているのだ。


私も人間が出来ていないので、ついつい派手なフライトをしたくなるのだが、そんな時は逸る気持ちを抑えて「70%の力で飛ばせ!」と自分に言い聞かせている。

×

非ログインユーザーとして返信する