ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

日本人のお金の話

「迷い人はいつもお金の話ばっかりしてる」
と、お叱りを受けてしまいそうだが・・・。
年金生活者にとってお金は重要な生活基盤だから、しっかりと把握しておかなければいけないと思っている。


昔の人は(私も昔の人になりつつあるが)
「お金はいざという時に役に立つから決して邪魔にならない」
「泥船に乗っていたらまともな航海は出来ない」と言っていたではないか。


そんな訳で、総務省家庭局の家計調査をもとに日本人のお金の実態について調べてみた。


まずはこれ! 世帯別家計資産の割合

2014年調査によるものなのでデータが少々古いのだが・・・。
「え~平均で3,491万円も持っているの???」と一瞬驚いたが、中央値が2,238万円ということで納得した。
グラフを見て分かるとおり1億円以上持っている人が6.1%いるので、この人たちが平均値を引張り上げている訳だ。


実際には中央値で見た方が実態に即している。
それにしても2,238万円って多いなぁと思ったら、夫婦、子ども、老夫婦など同世帯の資産の合計だった。


次のグラフがこれ! 貯金の金額別の世帯構成比

薄いブルーが2018年、濃いブルーが2019年の比較になっている。
たった1年で資産1億円以上の富裕層が1.7%も増え、100万円以下の人が4.1%も増えている。
日本も貧富の差が大きくなり、間違いなく格差社会の傾向が強まってきた。
それにしても4人に1人が100万円未満って、今後社会福祉を充実させていかないと日本はスラム化するだろう。


次はこれ! ズバリ何歳まで働きたいか

年齢階層別の構成比が示されている。
これによると65から69歳まで働きたいと答えた人が39.8%と最も多く、続いて70から74歳までが24.2%となっている。


今の社会は定年延長で65歳までは働かせてくれそうだが、その後はどうなるのだろうか。
私は労働の質が問題だと思う。


例えば、自分に資格や特別な技術や経験があって「これなら誰にも負けない!」という仕事の中に生きがいを見出せる人はいいかもしれない。
しかし、その他大勢の人は生活のために仕方がなく働いているのではないだろうか。


TVで芸能人の仲雅美さんは、厳寒の冬空にチューブ入りの生姜を舐めながら身体を
内側から暖めて工事現場の交通整理をしていたという番組を流していた。
私はそれを見て悲しくなった。
彼の現役時代は押しも押されぬアイドルトップスターだった。
そんな彼が生きがいを持って交通整理をしていたとはとうてい思えないのだが。


最後にこのグラフを。

各年代別の貯金と負債(借金)のバランスが示されている。


20歳代は貯蓄よりも負債の方が多い。もともと若いから収入が少ないのもあるが、車のローン、奨学金の返済、結婚資金などが借金の内訳なのか。
30歳代になると徐々に収入が上がっていくが借金も大きく増える。結婚して子供が生まれると養育費が掛かり、マイホームのローンなども大きな負担となる。
40歳代になると収入が上がるが依然として借金は減らない。住宅ローンは続き、子どもを私立高校や大学に通わせるとなると養育費は高騰する。
50歳代になると社会的地位も構築され更に収入が上がる。早い人は住宅ローンも終わり、子どもも社会人になってくると家計の負担がへり、それを貯蓄に回す余裕も出てくるので借金が減ってくる。
60歳代になると退職金が入るからか一時的に貯金が増え、退職と同時にローンの清算をする人が増え借金が減少するが、この頃から貯金の目減りが始まる。
70歳以降は一見貯蓄と負債のバランスが良好に見えるが、収入は年金と僅かなアルバイト収入程度で暮らすことになるのでさらに貯金の目減りが続く


老後のことを考えると住宅ローンと子育てが完了したら老後の貯金に邁進した方が賢明だということが歴然として分かる。


イソップ童話に「アリとキリギリス」の話があった。まさにあの話は人生そのものを言い当てている。


日本は世界に例を見ないほどの速さで超高齢社会に邁進している。
そのような中で、世界の各国が日本の政策と日本人の生き方に注目している。


コロナ禍の世の中、私たちの周辺を取り巻く社会は、果たしてどうなっていくのだろうか。

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