ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

カナダに行ってきた! ⑧~Accident Again !~


バスを降りる時に転んだ傷も、幸い夕方には痛みも治まっていた。
私たちはホテルに戻ると、夕飯を食べにレストランに行く準備をしていた。


その時、左足のふくらはぎから「ブンッ!」という鈍い音がして、鳥かボールが当ったようなショックを覚えた。


振り返ってもホテルの窓は閉まっている。


その瞬間、ふくらはぎに筋肉が吊ったような痛みが走り立てなくなってしまった。


しばらくマッサージをしたが直らなかったので、添乗員に頼んで24時間対応の救急病院に行くことにした。


それがここST PAUL’S HOSPITAL (イメージ図)

実際に行ったのは夜だったので、病院の明かりは付き、いつでも出発出来るように救急車はライトを点灯させていた。


昔、大変人気だった「緊急救命室erというTV番組をご存じだろうか?!
正にあんな感じだった。


中はこんな感じ (イメージ図)

救急患者がひしめき合って、浮浪者やアルコール中毒患者、薬物中毒患者がうろうろしている中、ドクターやナース、警備員などが慌ただしく出入りしている。
この辺も「緊急救命室er」そっくりだった。


やべ~大変な所に来ちゃったな。


もし暴君に絡まれたら、添乗員や妻は逃げられるけど、車いすに乗っている私はどうにもならない。


そんな不安を感じながら待つこと3時間。ようやく私の名前が呼ばれた。


私は重病人では無かったので(er好きならよく知っている)カーテン3号に通された。
私を診てくれた医師は(er好きなら泣いて喜ぶ)カーター先生のようなイケメンで、私の足を触診しながら丁寧に説明してくれた。


(以下、『』は医師、「」は私)
『骨は折れていませんね』
『アキレス腱も切れてないようです』
『たぶん肉離れのようですね』
私が気持ちが凹んでいたので、添乗員が通訳をしてくれた。


「I have to return to Japan tomorrow morning」
『Oh ! It’s lucky!』


「何がラッキーなの?」と添乗員から聞いてもらうと
『私(カーター先生)は、あなたが日本に着くまでのサポートをすれば良いので、後は日本の医者に診てもらいなさい』ということらしい。


そんな訳で、セントボールズ病院のサポートがこれ!

左足の固定具と松葉づえだ。


実際に履いてみるとこんな感じになる。(写真は自宅に帰ってから)

右足はバスから転んだ時の擦過傷。左足は肉離れと散々だ。


ちなみにこの固定具の構造だが

上の丸いゴム部分(黄色矢印)がポンプになっていて、ここをペコペコ押すと内部のエアバックが膨らむ。


ダイヤルの1番が右側面、2番が左側面、鍵マークがエア抜け防止(赤矢印)と、なかなか凝った造りだ。
まるでスキーブーツみたい。


そんなこんなで、バンクーバー空港では保安検査を除いて電動カートで移動し、成田空港でも飛行機を出た瞬間からタクシー乗り場まで車椅子で押してもらった。


しかし、バンクーバーの保安検査で松葉づえと固定具がピーピー鳴ってしまった。
私は検査員の不愛想ぶりに腹を立て
「 I bought it’s ST PAUL’S HOSPITAL !」
と吐き捨てるように言って、固定具を脱ごうとしたら、流石にそれは止められて、その場を通してくれた。(カナダ風"手のひら返し"か?!)


唯一、不安だったのは海外旅行保険補償範囲だ。
私はとりあえず、旅行会社の保険と元職場の団体シニア保険とVISAカードの保険に加入していた。


3か所加入していたからといって、保険金を3倍受け取れる訳ではない。領収書は原本を添付するので、結局は一番保証の厚い保険を利用することになる。


結果、旅行会社の保険が一番手厚かった。
傷害枠、最高1000万円の保険で、私が掛ったのが約15万円だった。


ちなみに補償された費用は 〔〇は可 ✕は不可〕
ホテルから病院までのタクシー代 〇
カナダの病院の治療費 〇
成田空港から自宅(市内)までのタクシー代 ✕
自宅から国内の整形外科の治療費 〇
自宅から国内の整形外科までの交通費 〇
要するに治療費と通院費に限るということだ。


海外旅行に行くときは保険の保証枠を確認しておくと良い。
私の「団体シニア保険」なんぞは海外にも適用できるが、入院1日1万円、通院1回4千円だからお話にならない。


今となって思うのだが、「緊急救命室er」体験なんてなかなか出来るものではない。
だから怪我をした方が良いとは言わないが、ナイアガラの水力発電所やバンフのケイブ&ベイスンなんかより、よっぽど貴重な体験だった。


旅にはハプニングが付き物だ。
今回も飛行機が飛ばなかったり、怪我をしたりと大変だったが、今思うと大変貴重な経験になった。
その様に前向きに考えられる人は海外旅行を楽しめる人だと思う。


長い間、カナダ旅行記にお付き合いいただき、誠にありがとうございました!


旅の記念となった固定具

Finish !

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