２～３日前、妻が「庭先でアゲハ蝶がふ化してるよ」というので見に行った。

玄関を開けるとアゲハ蝶がふ化を始めていた。

羽が広がれば飛び立つだろうと見守っていたが、それから１日が経ち２日経っても一向に飛び立つ気配がない。

飛ぼうとしても３０cmくらいの高さまでで、かろうじて花壇の花にしがみついている程度だった。

良く見ると右の羽根のリーディングエッジからスパー(飛行機用語)にかけて損傷していた。
外敵にでもやられたのか、かわいそうだと思ったが自然界の生き物だから、人間がよけいな手を加えてはいけないとも思った。⇒迷い人

しかし、ここ連日うだるような暑さが続いている。
アゲハ蝶だって喉が渇いているかもしれないと思い、手のひらを水で濡らしてそっとアゲハ蝶の方に指を差し出した。

最初は警戒していたが、私の指がアゲハ蝶の触手に触れると指先の水を飲み始めた。

そればかりか、このアゲハ蝶は私の指先から手のひらに乗り、そして手のひらから腕にまで登ってくるではないか。
(アゲハ蝶って人に懐くのか!　しかも初対面なのに???)

このままにしておいたら野鳥や猫に食べられてしまうだろう。
この小さな命は私が守るしかないと心に決めた。

アゲハ蝶は家の中に入っても大人しく逃げる気配がない。
庭と同じような環境にするために、プラスティックのケースに庭の土を入れ、庭に咲いている花も添えた。

ネットで調べたらミカンの葉を食べるというので、庭に植えてあるミカンの葉も添え、水を噴霧してアゲハ蝶が飲めるようにもした。

花についた水滴を飲むアゲハ蝶。

アゲハ蝶の寿命は成虫になって2週間～1か月らしい。

元気になったら庭に放すつもりだが、もしこのまま飛べなかったら我が家の玄関で静かに生涯を全うするのかもしれない。