ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

印旛沼の水位

日本列島に線状降水帯が停滞して、各地で水害が発生している。


私も下記のサイトから毎日のように印旛沼の水位を注視している。


なぜ印旛沼の水位に関心があるかというと、私は以前、佐倉市に住んでいたということと、印旛沼周辺にラジコンクラブの飛行場があるからだ。


この文章を書いてるのが8月17日なのだが、印旛沼の水位グラフを見ると、昨日の16日も一昨日の15日も水防団員が昼夜を問わず活動していたのが分かる。


印旛沼の常時満水位はYP2.3mから2.5m(季節によって変わる)だが、大雨により水位がYP2.8mを越えると水防団が待機し、はん濫注意水位の3.4mを越えると現場はにわかに緊迫してくる。


これが印旛沼周辺の地図。

印旛沼は千葉県の北総地域に位置していて、京葉工業地帯の工業用水や地元の農業用水や一部飲料水にも使われる貴重な水がめだ。また、八街市方面からも高崎川、鹿島川を経て印旛沼に水が流れ込んでいる。


次に断面図を見ていただきたい。

大雨が降ると印旛沼がはん濫し、周辺の住民に被害が及ぶから、印旛沼の水をなんとか利根川に放流したいのだが、利根川も上流から流れてきた水で水位が上がっているので困難になる。
そうなると、周辺の自治体は印旛沼の水を花見川を経由して東京湾に排水するように大和田機場に頼みこむのだが、排水し過ぎると今度は花見川が氾濫してしまうので絶妙なさじ加減が要求される。
平たくいえば、印旛沼周辺の佐倉市や八千代市と千葉市花見川区との板挟みに会う。


水防団は消防団の水害版みたいなものだが、最近地元の人材が減少して高齢化が進んだり、サラリーマン団員が増えたので水害発生時に勤め先から帰って来れないなど多くの問題を抱えている。
市の都市部、土木部の職員を中心に構成している水防班も、水防団と一緒に土嚢を積んだり、河川の水位を監視したり、排水ポンプを設置稼働したり、周辺の住民の避難状況を確認したりする。
土嚢を積んだり、側溝を清掃する作業は台風が来る前にやらないと間に合わない。
浸水しそうな家に一軒一軒伺い、土嚢を設置する許可をいただく。
「いつもご苦労様!」と労いの声を掛けてくれる人もいれば
「誰の許可を得て土嚢を置くんだ!」と怒鳴られることもしばしばある。
そういう家に限って留守が多い(笑)。


実際に大規模な災害が起きてしまったら、警察、消防、自衛隊、民間事業者など、あらゆる方面の協力を得ないと復旧は困難だ。


自然災害を無くすことは不可能だけれども、被害を少なくすることは出来る。


だから早目に避難所に来て欲しい。
台風がそれたらそれたでいいじゃないか、その時は訓練だと思っていただきたい。


ラジコンクラブ員も「滑走路が水没したから水上機を飛ばそう!」なんて考えないで、長雨が続く時期は飛行場に近づかないで欲しい。


印旛沼が決壊したら溺死、また飛行場に向かう山道が崩れたら窒息死か圧死、間違いなく命を落とす。


どのような状態になるかというと・・・それはあまりにも悲惨過ぎて文章に出来ない

×

非ログインユーザーとして返信する