ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

個人旅行VSパッケージツアー ~旅の選択~

私の旅はマイカーによる個人旅行が主だった。
北海道に行った時も、伊勢神宮に行った時も、信州に行った時も、雪の季節を除いてほとんどマイカーで旅行を楽しんできた。


しかし、今年になって旅行会社が主催するパッケージツアーを利用する機会が増えてきたので、これを機にそれぞれのメリット、デメリットについて整理してみたい。


〔費用〕
利尻島・礼文島の場合、羽田⇔稚内往復の航空券、フェリー代金(稚内⇒利尻島、利尻島⇒礼文島、礼文島⇒稚内の3回)、レンタカー代(利尻島、礼文島の2日分)、ホテル代2日分)を計算すると、個人旅行はパッケージツアーの数倍にもなってしまう。
LCCが就航している場所やマイカーで行ける場所を除くと、金銭的にはパッケージツアーの方がお得な場合が多い。


〔充実度〕
パッケージツアーは経験豊富な旅行会社の社員が企画しているから、旅行先の主要な観光スポットは押さえている。一度の旅行でほぼすべての観光スポットに連れてってくれると言ってもいいくらいパッケージツアーの方が充実している。
そもそも上高地、立山黒部アルペンルート、乗鞍高原畳平など、自然環境保護の観点からマイカーの乗り入れが禁止されている場所も多くなってきたので、パッケージツアーは個人旅行では行けない場所にも連れていってくれる


一度パッケージツアーに参加すると、このようなダイレクトメールが旅行会社から届く。

行く気があれば日本全国、その気になれば世界中手軽に観光ができる時代になった。


〔柔軟性〕
パッケージツアーでは羽田空港6時30分集合なんてツアーもよくある。
都内近郊に住んでいれば別だが、千葉県や茨城県に住んでいると始発の電車に乗っても集合時間に間に合わない。
仕方がないので羽田空港の駐車場を予約し、マイカーで自宅を深夜未明に出発して参加したこともあった。一緒にツアーに参加した方に尋ねたら、始発で間に合う駅までマイカーで乗り付けて、そこから電車で来たという。
また、今回は特別なケースだが、途中でトレッキングシューズが壊れ、靴屋に行きたかったのだが、まさか観光バスで連れてってもらう訳にもいかず、ホテルについて夕食を取った後にタクシーを飛ばして靴を買いに行くという事態になった。
パッケージツアーは基本的に団体行動だから単独行動は難しい。
よって、突然のハプニングには個人旅行の方が対応しやすい。


その気になれば個人でもホテル、レンタカー、航空券までネットで簡単に予約が出来る。


そのせいか、若者は自由気ままな個人旅行を好むし、熟年になると見所満載、食事も温泉も充実したパッケージツアーに人気が集中する。


〔結論〕
はじめて行く場所や見所がよく分からない観光地を旅するとしたら、とりあえずパッケージツアーを選ぶ方が無難だ。
その中で、もっと時間をかけてじっくりと見たいという場所が見つかったら、次回はそこを中心に個人旅行で深堀りをするのが良さそうだ。


私の場合
晴れた日には室堂のミクリガ池の周辺を半日くらいかけてゆっくりと散策したいと思う。
カナダツアーではレイク・ルイーズに40分しかいられなかったが、3時間くらい自由時間があればカヌーをレンタルしたり、湖畔を散歩したり、シャトーレイク・ルイーズでお茶も出来たはずだ。
バンフではお土産屋なんて行ってる暇があったらサルファーマウンテンの頂上からカナディアンロッキーを眺めたら、どんなに素晴らしかっただろう。


サルファーマウンテンの頂上から見たカナディアンロッキー

開いた口が塞がらないほど壮大な景色だ!


そういう気持ちが芽生えてくると、個人旅行もまんざら捨てたものではないと思うようになってくる。

立山黒部アルペンルートを歩く④~上高地を散策する~

旅の3日目
今日は旅の最終日、上高地を散策する。


その前に「黒部ダムでソールが剥がれたトレッキングシューズは、どうなったんだ?」という疑問にお答えしなければならない。


あの晩、宿に着いて夕食を済ませた後、タクシーを飛ばして靴屋に向かった。
しかし、その靴屋はごく一般的な店だったのでトレッキングシューズなるものは無く、仕方がないので長靴を買って宿に戻った。


つまりはタクシー代を7千円も掛けて3千円の長靴を買うという愚行をやらかしてしまった訳だ。


このトレッキングシューズは40代の頃、パラグライダーを始めた時に買った靴なので、かれこれ20年以上履いている。
ニュージーランドのトレッキングにも持って行った思い出の靴なので、捨てるのを惜しんだのが失策だった。


話を戻して
3日目の朝は晴れた。

ホテルの部屋からは虹が見える。
平地は晴れているが上高地はどんなものだろうか。


上高地の散策コースは下の地図のとおり。

ツアーバスは大正池、帝国ホテル前、上高地バスターミナルの3か所に停まるので、希望する場所から散策が出来る。


私たちは大正池からスタートしたのだが、大正池から河童橋まで普通に歩くだけで1時間掛る。ゆっくり歩いて景色を楽しみ、写真を撮っていたら1時間30分は欲しい。それにお土産を買って簡単な昼食を取っていたら、2時間では足りなくなる。


このツアーの良さは「上高地散策たっぷり3時間」と銘打ったところにある。


旅人の気持ちを理解している阪急交通社の皆さん、ありがとう!


大正池に着いた

「あれぇ~? なんか池が小さくなっている」
心なしか木の枝も少ない。


気を取り直して散策を始める

水は澄んでいるし、木には苔が生えていてなんか良い感じ。
マイナスイオンを感じる(気がする)。
やはりここは上高地だった。


以前、来たときに比べてかなり木の枝が落ちてしまっていた。

ここでイギリス人のカップルと出会って互いに写真を撮り合う。
(ここからは私の下手くそ英会話)
「どこから来たの?」
『イギリスデス』
「イギリス? 遠かったでしょ?」
『ハイ トオカッタデス』
その後、今は直行便があるから寝ていれば日本に着くとか、自分たちで計画してきたのでパッケージツアーは利用しないなどと言っていた。
彼氏、背が高くてイケメン。
彼女、肌が白くて超美人。


梓川の畔を歩く

ここではイスラエルのカップルと出会って写真を撮り合う。
「日本、好き?」
『大好きデス! シラカワゴウ、ミヤジマ、キヨウト、ナラ、オオサカ・・・』
話が止まらない。
私が白川郷の話の時に屋根のポーズをしたり、大阪の話の時にたこ焼きを食べるポーズをしたら彼女に大受け、笑いが止まらなかった。


彼氏、人なつっこく肌は浅黒い。背はそれ程高くない。
彼女、美人で日本人のギャグが分かる。


更に散策路を進む

白樺がいっぱい。なかなか良い感じ


梓川の畔に出た。

霧が晴れてきたので、山肌が姿を見せた。
なんとなく上高地らしくなってきた(笑)。


ここはウエストン碑

5年前に来たとき、石の段差につまずき(黄色矢印)、転んで水に墜ち(青色放物線)、とっさに左手をついて(赤色矢印) 、右手に持ったカメラを庇ったら、左肩を骨折してしまった忌まわしい場所。


「今回は絶対に無事に帰るぞ! 」と心に誓う。


ついに河童橋に着いた!

夏休みに比べると人出が少ないので落ち着いて散策が楽しめる。
紅葉の時期もなかなか良いものだと思った。


河童橋から撮った風景

左が今回(2023年10月)撮った写真で、右は2018年7月に来た時に撮った写真。
やはり晴れていた方が景色は素晴らしい。


旅行は1~2か月前に予約するから、その時の天候は運まかせ。
まさにギャンブルのようなものだ。


雨が降ったからといって「今回は損をした~残念!」とは不思議と思わない。


「また行こう! 今度こそミクリガ池の周辺を歩こう! そして雷鳥を見よう!」という気持ちになるから、旅人って不思議なものだ。

立山黒部アルペンルートを歩く③~立山連峰を横断する~

旅の2日目
今日は今回の旅のハイライト、立山黒部アルペンルートを歩く。
といっても道は整備されていて、途中ケーブルカーやロープウェイも利用できるので思ったほどハードではない。
私たちはトレッキングシューズを履いて行ったが、晴れていればスニーカーでも散策は出来る。
まあ晴れていればの話だが・・・。


下の地図を見て欲しい。

私たちがケーブルカー、トロリーバス、ロープウェイなどを使ってアルペンルートを観光している間(赤い線)、バスは立山駅から糸魚川市方面を迂回して扇沢駅に迎えに来る(青い線)。バスの運転手に聞いたら「今回は迂回に4時間掛かった」そうだ。


立山連峰はバスもマイカーも横断できない険しい地形なのだ。


添乗員が「このツアーは特殊なツアーなんです!」と言った意味がよく分かる。


次の図を見て頂きたい。

アルペンルートは高低差が大きいので、秋に行けばどこかしらで紅葉を見れるはずだ。
美女平から室堂までの高原バスは50分かかるのでシートに座っていたいが、ケーブルカーやロープウェイは短時間だし、むしろ立っていた方が外の景色が見やすい。


これは立山駅入り口の右手の「おにぎりの志摩」で売っていたおにぎり。

登山客用に用意されたおにぎりで、今風の造りで握り方も柔らい。
造り立てだったので、室堂で食べた時でも暖かかった。


昼食は高度が上がるにつれてお値段も上がるので、立山駅でおにぎりを購入しておいて良かった。


いよいよ立山ケーブルカーに乗る。

ケーブルカーの前方には台車が連結されていて、山の上に物資を送ることが出来る。
開発当時の名残だそうだ。


途中、高原バスに乗り換えて50分、ついに室堂駅に着いた。

しかし、天候は霧⇒雨⇒強風⇒雪の4点セット。
ツアーの参加者たちは外に出ずに、駅ターミナルの中で昼食を取っていた


が、私たちは・・・懲りずに行ける所まで歩く(笑)。


立山玉殿の湧水の石碑

天気が良ければ湧き水を飲んだり、湧き水を利用してコーヒーを沸かしたりするのだろうけど、今日はそんな余裕はない。
雪が吹雪いてきて、顔に当たると痛いくらいだ。


霧が出てくると周囲の景色がホワイトアウトする。
パニックにならないよう、少し歩いては振り返り、自分が立っている場所から駅ターミナルの方向を確認し、また少し歩いては振り返るようにした。

結局、歩いたのは赤い線で書いた場所くらい。
晴れていたらミクリガ池が綺麗に見えるだろうと思いながらも今回は断念。


室堂からトロリーバスに乗って大観峰に向かう。


天気が良ければここから黒部湖が見えるはずなのだが、霧のため何も見えない。

ベルのような楽器(?)らしきものがあったので鳴らしてみた。


ちなみに妻はリュックサックを背負った上から雨具を着ているので太って見えるが、実際はそうではないことを付け加えさせていただく。


大観峰の屋上にあった雲海テラス

この日は初雪ということで雲海テラスならぬ雪上テラスになってしまった(笑)。


大観峰からロープウェイに乗って黒部平に向かう。


途中、一瞬だが、山の景色が見えた!

今年は酷暑だったせいか紅葉は少ない。
それでもロープウェイの中では歓声が上がっていた。


黒部ダムの上を歩く。

雨が若干弱まってきた。
黒部湖の水の色はカナダのレイク・ルイーズとはまた違ったエメラルドグリーン。


こちらが黒部ダムの観光放水。

今年は10月15日まで。
観光放水を優先的に日程を組んだら、紅葉には早過ぎた。
ん~悩ましい。


黒部ダムの石碑。

雨が上がったら周囲の景色が少しずつ見え始めた。
この左側に黒部ダムの工事で殉職された方々の慰霊碑があるので、今回も手を合わせてきた。


という訳で、待望の立山黒部アルペンルートだったが、私たちは曇り、雨、霧、吹雪きという貴重な(?)体験をしてしまった。


国内旅行だし、また行ける距離だから、今度は雪の大谷の時期に行こうと思う。


ちなみに私の場合、「旅行に出ると必ず怪我をして帰って来る」というジンクスがあるのだが、残念ながら(?)今回は怪我は無かった。


その代わりと言ってはなんだが、黒部ダムの上でトレッキングシューズのソールが左右とも剥がれてしまったので、ホテルに着いてからタクシーを飛ばして長靴を買いに行ったというハプニングがあった(笑)。


まぁ、何かと話題が尽きないのだが(笑)。


TO BE CONTINUED !