空白の5年間
年金が65歳から支給開始になってある程度年月が経った。
下の表を見て欲しい。
老齢基礎年金は有無を言わさず65歳から、厚生年金の報酬比例部分は段階的に遅らせるという激変緩和措置が施行された。
そしてついに昭和36年4月2日以降生まれの社会人男性は、老齢基礎年金も報酬比例部分も65歳にならないと支給されなくなった。
つまり、いよいよ空白の5年間を体験する世代が出てきたという訳だ。
私は昭和31年生まれなので、この空白期間は2年間だったが、それでも62歳から65歳になるまでは本来受けられる額の約半分しか支給されない。
毎月末、貯金通帳を記帳するたびに預金額は減る一方。
夜中に一人で考えていると「このまま暮らして行けるのか?!」と恐ろしくなってくる。
その不安を払しょくするためにアルバイトや再雇用に挑戦するも、仕事の内容や賃金の安さは惨めなものだった。
老夫婦2人世帯の年間の生活費を300万円とすると、5年間で1,500万円消費することになる。
これでは年金を受給する前に退職金の大部分が消えていってしまうではないか。
政府は国民の不満を回避するために、年金支給時期を60歳まで繰り上げだり70歳まで繰り下げる制度を作ってみたものの、繰り上げると支給額は著しく減少し、繰り下げると余程長生きしない限りは元が取れない。
「年に300万円も生活費に使わないよ!」という意見もあるだろう。
しかし退職した年の住民税や介護保険料は前年の所得が反映されるからドカンと来る。
国民健康保険料も所得割があるから馬鹿にならない。
人にもよるが、退職初年度は100万~150万円の公租公課が右から左へと吹っ飛んでいく。
これが現実だ!
でもって私が言いたいのは・・・
若者よ 金を貯めておけ!
月に2万円、ボーナスで3万円×2回貯めておけば年に30万円になる。
このペースで40年間貯め続ければ1,200万円になるではないか。
50歳代になって、そろそろ老後のことを考えても貯金できる期間が短いので、中々思う金額まで到達出来ない。
これからの世の中、「年功序列」や「終身雇用」は消え去るだろう。
今流行りの投資は、金持ちがあくまで余裕資金の中で興じるマネーゲームなのだ。
だから
若者よ アリになれ! キリギリスになるな!
アリとキリギリスの童話は、国によってはキリギリスがセミだったりします。
アリがキリギリスに食べものを上げて助けたとか、アリがキリギリスを家に入れるのを断って餓死させたとか、中には弱り果てたキリギリスをアリが食べたなどという諸説もあります。