ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

引っ越しをした! ④ ~調整区域には近づくな!~

住環境の中で主に問題になるのは騒音、振動、悪臭だが、市街化区域に比べて調整区域の制限基準は非常に低く設定されている。

よって、実際に調整区域の近くに家を買うと、どんな問題が起きるのか、実際に起きた出来事について説明したい。


〔事例1〕
ある日、調整区域に資材置き場が出来た。朝早くから夜遅くまでトラックが通るようになって、建築資材を積んだり降ろしたりして、その騒音や振動の苦情が入った。
現場に出向くと、建設資材の仮置き場として使用しているようだ。
確かに騒音や振動がひどい。
現場の作業員に話しても埒が明かないので、雇い主の連絡先を教えてもらい、雇い主から事業主を聞き出して指導する。


まぁ指導するといえば聞こえが良いが、ここは調整区域だから法的には問題がない。
だから実際には「指導」というよりも「お願い」に近い。


業者から「いや、工期が迫っているんで、そうもいかないっすよ!」などと言われると、強制力がないので困ってしまうのだが、押したり引いたり、なだめたり賺したりして、あの手この手を使って早朝、深夜、日曜、祝日の作業を控えるように頼み込むのだ。


〔事例2〕
「風向きによって悪臭がする」という苦情が入ったので、現地調査に出向く。
現場は調整区域で、リサイクル工場の中間処理場が建っていた。
リサイクルといえば聞こえが良いのだが、牛糞を集めて乾燥させ、粉末にして肥料として販売するというものだ。
牛糞の匂いが風に乗って住宅地に拡散され、悪臭が発生したのだ。
これらの処理場が調整区域に建つのは問題ないのだが、届出書類の不備があったので、そこは強く指導し、その勢いを借りて防臭フェンスの設置をお願いした。


まだまだ言い出せば問題ケースはきりがないのだが、そんな訳で調整区域の隣接地は、たとえ市街化区域であっても家は買わない方が良い
いや、私だったら絶対に買わない。


「どこが調整区域か分からない」ということであれば、市役所に行けば都市計画図を見せてくれるし、もっと詳しい情報を知りたければ、ブルーマップも置いてあるのでよく見るといい。


中には土地が安い事もあって、調整区域でも農家住宅、分家住宅など、例外的に住宅を建てることも出来なくはないが、上下水道が通っていなかったり、進入路の道路境界が確定していなかったりで、後々問題が起こる可能性が大いにある。


つまり、安い物件にはそれなりに問題があるということだ。

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