北海道に行ってきた! ⑦ ~野付半島~
北海道の地図を眺めていると、東の端の方に髭のような尻尾のような出っ張りがある。
(赤丸の部分)
拡大してみると、こんな感じ
これは砂が海流により流されて堆積した砂嘴(さし)で、これでもれっきとした半島なのだ。
私も20年前にバイクで行ったことがあるのだが、その後は記憶の片隅にしまってあった。
ところが、確か車のCMでテレビに数秒間映ったのを見つけてしまった。
「あっ、野付半島だ!」
懐かしい。これは行くしかない!
ということで、今回の旅のコースに組み入れた。
青い線の部分はレンタカーで行き、ネイチャーセンターに車を置いてトドワラまで遊歩道(赤い線)を歩くことにした。
ここが野付半島
道路の両脇に海が広がっている。
「わぁ~! なにこれ~?」
この不思議な光景を見て妻も驚いている。
所々に朽ち果てた作業小屋がある。
この錆びれ感というか、最果て感が私は好きなのだ。
海抜4mの標識がある。
おそらく津波が襲ったら、跡形もなく消え去るだろう。
途中、案内板を見つけた。
ラムサール条約登録湿地。
ここは天然の動植物の生息地だった。
トドワラは海水面の上昇などによりトド松の群生地に海水が入り、塩害により朽ち果てた。
ナラワラも似たようなものだと思うのだが、明確な違いは分からない。
ご存じの方はコメント頂きたい。
これがナラワラ
トドワラはもう朽ち果てていると聞いたが、ナラワラは当分の間は生息していけそう。
ネイチャーセンターに着いた
いきなりエゾシカのお出迎えだ。
脚の弱い人の為にトラクターバスが走っていたが、私はダイエット中のため、歩いてトドワラまで行くことにした。
これが大正解!
遊歩道を歩いていたらエゾシカが顔を出した。
私たちはエゾシカを脅かさないように静かに腰をかがめた。
「よく来たね! 何か用?」
とでも言っているようだ。
遊歩道を先端まで歩き切ると、トドワラが見えた
「随分少なくなったなぁ・・・」
20年前に来たときも地元の方に
「朽ち果ててきたから、そのうち無くなる」と言われていたのを思い出した。
思えばずいぶん遠くに来たものだ。
と、ひとり感慨に耽っていたのだが、ふと妻の方を振りかえると・・・。
余裕である!
遠くまで連れてきてしまったことを少々心配していたのだが・・・。
妻は、私よりもはるかに肝が据わっていて、ちっとやそっとの事では動じない。
私の唐突で思い付きの旅にも嫌な顔一つせずに付いてきてくれる。
ありがたい。感謝している!
20年前に撮った写真が出てきた。
トド松がそこら中に倒れていて朽ち果てている。
木道も今のものとは違う。
まるで、この世のものとは思えない光景だ。
こちらも20年前の写真
トド松が倒れている様子が、まるで巨大魚の骨のようである。
夕暮れの野付半島を後にして宿に向かう。
今日の宿は標津町の「ぷるけの館ホテル川畑」
昔からある典型的な旅館だが、客室にも温泉が敷かれていて旅の疲れを癒してくれる。
夕食も品ぞろいが豊富で、どれも美味しい。
特に赤丸のメンメの唐揚げは絶品で、ダイエット中であるのも忘れて一気に完食してしまった。
是非また寄りたい宿だ。