美味しい店に行きたい!⑦ そば処とろじ
成田ニュータウンの外周道路から少し離れたところにその店はある。
最寄駅でいったら成田湯川駅になるが、駅から歩くとなると少々高低差がある。
私の生活習慣の中では成田山公園を散歩した後、この店に寄って天ざるを食するというルーティンが既に出来上がっている。
駐車場に車を滑り込ませると、写真のように色の褪せた観光案内図が目に止まる。
店のオーナーが観光協会に関係する方なのだろうか。
案内図の左端に「とろじ」の看板と暖簾が見える。
左側の階段を登って店にアプローチするのだが、まるでとムソーヤの小屋のようで、初めて行った人は少々のときめきと大いなる戸惑いを感じるかもしれない。
階段を登って店の前に出た。
この出で立ちを見て、普通のそば屋だと安堵するに違いない。
店の中はこんな感じ。
コロナ禍のせいか、私が行った時は客がいなくて、返って安心して食事が出来た。
献立表を見る。
天ざる1,050円と手ごろな価格だ。私はこの店に行くと必ず天ざるを注文する。
厨房の方からパチパチと天ぷらを揚げる音が聞こえてきた。
これから正に天ざるが運ばれて来ようとするプレリュード(前奏曲)でもある。
しばらく歓談していたら食事が運ばれてきた。
これがとろじの天ざるだ。
蕎麦は「かずさ」のようなツルツル感は少ないが、さぱりしていて美味しい。
蕎麦の味を大切にしたいので、少しのつゆでいただく。
言葉で表現するのは難しいのだが、口の中にとろじ独自の蕎麦の風味が広がる。
天ぷらを一品ずつ丁寧に口に運ぶ。
天ぷらはサクサク感というよりも、どちらかというとカリッとした揚げ方だ。
しばらくすると蕎麦湯が運ばれてきた。
この絶妙なタイミングが嬉しい。
思わず笑顔になった。
食事が終わったら、しばらく外の景色を見てから会計を済ませる。
「ごちそうさまでした。とても美味しかった!」
感謝の気持ちが伝わったのか、店員さんの笑顔に見送られて私たちは店を出た。