ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

思い出のバイク③ CB50JX

ヤマハのミニトレGT50を3万円で手放してから、次のバイクは何にしようか考えていた。
早く手に入れないと3万円を使ってしまいそうだったから・・・。


次のバイクはミニトレのような欠点を何とかして克服したい。


つまりは
1 Tシャツが排気オイルで汚れない事。
2 スピードを出してもハンドルの振動で手が痺れない事。
が目標だった。


とはいえ当時は今のようなネットの無い時代、先輩のツテを頼るしか方法が無かった。
そうこうしている内に、ある先輩が「良かったら、このバイク、乗ってみないか?!」といって見せてくれたバイクがこれ!

CB50JXだ。


私はこのバイクを初めて見たとき衝撃が走った!
前輪ディスクブレーキ、タコメーター装備、低くて長いメガホンマフラー、前後に長い燃料タンク、カフェレーサー風のシート、その装備は原付自転車の域を超えていた。


値段も聞かずに「このバイク、ください!」と叫んでしまった。
一目惚れだった。


最初、先輩は「7万円かな?!」と言っていたのが
「迷い人は学生だから5万円でいいよ!」となり
それでもお金がないというと
「しょうがないなぁ、じゃあ4万円でどうだ!」
ということで話が決まった。


そこから更に交渉が始まった。
手元には3万円しかないので、来月と再来月の小遣いから5千円ずつ分割で支払うことを了解してもらった。
もう、ここまでくるとさすがの先輩も苦笑するしかないという表情だった。


昔から私は交渉ごとは得意だったようだ(笑)。


かくしてオレンジ色のCB50JXが私の物になった。
ミニトレの時のような排気の汚れもなく、手に伝わる振動も少ない。スピードもメーター読みだが80Km/h以上は出た。
私にとってCB50JXは、ミニトレ時代の問題点をすべてクリアしたスーパーバイクだった。


そんなある日、同級生から「RD50を買ったよ!」という電話が入った。
そのバイクがこれ!

前輪ディスクブレーキだが、こちらは油圧式だ。タコメーターも付いている。
私は、エンジンが2サイクルなだけでCB50とあまり変わりはないだろうと思っていた。・・・その時は。


バイク好きの高校生が2人集まると、やることは決まっている。
まだ開発中の工業団地の広い道路に2台のバイクを持ち込んでスピード競争だ。


2台の原付スポーツバイクが並んで「よ~い ドン!」
なんと私と私のCB50は、みるみる離されてしまった。
今度は私がRD50に乗り、友人はCB50に跨った。
ふたたび「「よ~い ドン!」
RD50は70Km/hを越えても加速が続き、85Km/hくらいから頭打ちになった。
友人に言わせると、私のCB50は70Km/hあたりから頭打ちになるそうだ。


私は同じタイプで同じ排気量のバイクでも、これ程性能の差が出ることに愕然とした。


それでも排気煙が綺麗だし、めちゃくちゃ燃費が良かったので、CB50への思いは薄れず、中型二輪の免許を取るまで、ずっと私の相棒でいてくれたバイクだった。

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