ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

フロントガラス叩き割り男

ニュースでご承知の方も多いと思うが。
10月16日、愛知県の豊明市の交差点で停車中の車のフロントガラスを叩き割る無職の男が逮捕された。


私はこのニュースを聞いて
「こいつ、精神(障碍者)やったら被害者は丸損やなぁ。それにしても怖い話やなぁ。」と思ったものの、その後は単に運が悪かったんだろう位であまり気にとめなかった。


しかし、よく考えたら私も似たような事件に遭遇していたことを思い出した。


私が若かった頃、車を運転していたら、わき道から5歳くらいの子ども数人が「わ~!」と奇声を上げながら飛び出してきて、手に持っていたバットで私の車のフェンダーを叩いたのだ。
私の車のフェンダーの一部がへこみ、塗装が剥げた。
私は車を降りて「ちょっと待て! 何するんだ。警察呼ぶぞ!」と叫んだ。


子どもたちはどう対処していいか分からず、親を呼びに行った。
しばらくして保護者が出てくると
「あんちゃん(私のこと)、免許汚れるかも知れんで!」
と私を牽制してきた。


その頃の私は若くて正義感も強かったので、むしろ警察官にジャッジメントしてもらいたい位の気持ちで
「もう110番通報しましたよ」
と言った。


しばらくしてパトカーが現れ、警察官が私と子供たちのふた手に分かれて事情聴取をはじめた。
子どもたちは泣きじゃくっていて、警察官は事情聴取が出来なかったようだ。
私の主張は、車の修理代は請求しないから、二度とこのような事はしないと約束して欲しいということで和解となった。
子どもたちにとってはいい薬になっただろう。


そこでふと思った。
昔は、道路を数人で横になって歩いていると「車が来たら危ないだろ。一列になって歩け」とか、夜遅くまで公園で遊んでいると「もう遅いから、家に帰れ」とか、近所で注意してくれるおじさんがいた。
こういうおじさんがいたからこそ、子供心にやってはいけない事が自然と身に付いたものだ。
しかし、今はいない。なぜか?
そんなことを言ったら、それこそ保護者が出てきて「うちの子に何を言ったんだ!」と返り討ちにあってしまう。
嫌な思いをしてまで他人の子どものために注意しようとする大人はいない。
もちろん私もしない。


少子高齢化の影響からか、随分と子どもが大切にされてきた。
いや、大切にされるのは結構なことだが、間違った方向で大切にされ過ぎてしまった。
それに加えて地域社会のつながりが希薄になって、他人様の子どもに話しかけるなど、厄介なことをする大人はいなくなった。



フロントガラスを叩き割ってボンネットをへこました木崎喬滋容疑者(28歳)。

いったいどんな幼少時代を送ってきたんだろう。

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