ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

相続ドタバタ物語⑧ 不動産は負動産?!その②

不動産会社のH氏が言った。
「迷い人さん、3か月で売ります。3か月経って売れなかったら長期戦になります」

私は最初、この意味が分からなかった。
が、その理由はこうだ。
今はネットの時代なので、不動産会社と委託販売契約をすると、売り物件は自社のHPに掲載される。
それだけではなく、全国不動産取引協会(正確な名前は忘れた)? なる団体があって、そこのデータベースに登録すると全国の不動産営業マンと契約者の目に触れる。


つまり、本気で不動産を買いたいと考えている人に対して不動産会社から瞬時に情報が伝わり、営業マンに相談して現地を訪れたり、資金計画を立てたりして、実際に売主に話が伝わるまでの期間が概ね3か月ということなのだ。


それを過ぎると新規の購入希望者はなかなか現れない。


幸いなことに、私の場合も3か月で買主が現れた。
しかし、売買契約を結んでから実際にお金が振り込まれるまでに1年以上、長い期間と多くの手続きと経費が掛かるものだと知った。


1 不動産の所有者名義変更
亡くなった父の名義になっていた不動産を私の名義にしなければならない。
もちろん遺産分割協議書も必要なので、これは司法書士にお願いした。


2 土地の境界確定協議
不動産を商品として確実な物にしなければならないので、隣接する土地の所有者と境界立合を行い、境界確定協議書にサインと印鑑を貰わなければならない。
普段から近所と仲が悪いと、協議がなかなか成立しないらしい。
境界が確定すると、そこに境界標を設置し土地の図面を作成する。これは測量会社にお願いする。


3 不動産会社と売買仲介委託契約
不動産会社に物件を広告して買主を探してもらう。無事に契約が成立すると売買価格の3%(だったかな?)+5万円+印紙代がかかる。


4 家屋取壊し費用
築40年の家屋には資産価値が無いので、取り壊し費用を売主に支払う。
私の場合は200万円支払った。


5 不動産譲渡所得税
不動産を売った金額から(父親が)購入した金額と必要経費を差し引いた金額が譲渡所得となる。購入した時の売買契約書が見つかれば良いのだが、出てこない場合、購入価格は売った金額の5%しか見てくれない。
つまり計算上、不動産の価格が20倍に跳ね上がったことになる。
「バブルの頃でも、そんなことあるのか?!」と思うが、幸いなことに私の場合は売買契約書が残っていた。


6 住民税
忘れがちなのだが、不動産譲渡所得の申告をすると翌年しっかりと住民税が掛かってくる。



冷静になって計算してみた結果
父親が購入した金額の2倍の価格で売れたが、上記の経費を差し引いた結果、実際の手取り額は販売価格の1/2に目減りしてしまった。

しかも利益が出なかったどころか、40年間の物価上昇率を勘案すると損をした計算になった。



結論として
※不動産を売るには多くの経費と労力と長い期間が掛かるので、急に高額な資金が必要になっても間に合わない
※一時的に金銭が入って来るが、その後、多額な税金を取られるので、『あぶく銭』のように安易に使ってしまうと後々痛い目に合う
ということが分かった。

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