ためらわない,迷わない

仕事を辞めた。そして自由人になった・・・。

旅をするということ

6月末から8日間、私たち夫婦はカナダに行ってきた。
その費用は燃油サーチャージ、お土産代含めて2人合わせて130万円ほど掛かった。


8日間で130万円使い切るということは、軽自動車1台を8日間で乗りつぶしたことに相当する。
これは物質至上主義者から見たら「とんでもない浪費だ!」とお叱りを受けてもおかしくない金額だ。


では、海外旅行に行く人はどんな人たちかというと、私の知っている限りでは、富裕層や高額所得者とは無縁な人たちばかりだった。


実際にツアーメンバー同士で話をしたら、非正規雇用の社員だったり、派遣会社と雇用契約をしている人だったり、年金生活者やフリーターや家事手伝いの人も少なくなかった。


その多くは、毎月の少ない給料の中から3~5万円を貯金し、年に一度の海外旅行を楽しむために普段は節約生活に努めていた。


単に「価値観の違い」だといってしまえばそれまでなのだが、ちょうど良い機会なので、旅行について自問自答してみたいと思う。


〔旅行の意義〕
①日常生活からの脱却
毎朝、同じ時間に起きて、布団を畳み、朝食を食べ、仕事に出かける。
私たちのような年金生活者は、朝食の後片付けをしたら、掃除をして、一日の行事を決めて行動を開始する。それが買い物だったり、通院だったり、部屋の後片付けだったり、家電製品の修理メンテナンスだったり、庭の草取りだったり、駐車場の掃除だったり・・・。
日が暮れたら雨戸を閉めて、布団を敷いて、夕食を食べで、後片付けをして、風呂に入って1日が終わる。
そんな毎日のルーティーンから解放されるのが旅だ。


②未知の経験への欲求
今年は世界最大級といわれるカナディアンロッキーの氷河の上に立った。
「ここから先はクレパスがあるから危険だ」といわれる寸前まで歩いた。
氷河の雪解け水も飲んだ。

地球温暖化の影響か、年々氷河の規模が小さくなっている。


観光船に乗って、ナイアガラの滝の水を頭の上からかぶった。

夏は割と気持ち良いです(笑)!


ニュージーランドでは、洞窟に潜り込んで、星空のように光る土ボタルをボートの上から鑑賞した。

大きな声を出すとホタルが発光しなくなるので、ひと時も黙っていられない隣国人は、さかんに注意されていました。
「Be Quiet !」


北海道に行った時、じゃがバターにイカの塩辛を乗せて食べるのを知った。


ちゃんちゃん焼は鮭だけではなく、ホッケの内臓を取り除き、そこに味噌とネギを乗せて網で焼きながら食べるのも知った。


これらの体験は、現地に行かなければ得られない
旅行者にとっては大変貴重な経験になる。


③思い出作り
ある本を読んで共感した。
人間、死期が近づくと、あの世に持って行ける物は何かと考えるそうだ。
金融資産や不動産、自動車等はあの世には持って行けないが、唯一持って行けるとしたら「思い出」だという。


私は死んだことがないから、あの世に「思い出」を持って行けるかどうか確信は持てないが、少なくとも残された配偶者や家族の記憶の中に、私との旅の思い出が残ってくれて、たまに食卓の話題にでもなったら嬉しいと思う。


〔後書き〕
私も日本国内をはじめ、海外旅行にも行ってきたが、国内の観光地は割と整備されていて、観光バスもかなり近くまで行ってくれる。ホテルのサービスも至れり尽くせりだ。


一方、海外はというと、ほぼトレッキング状態みたいな観光地が多い。
面倒くさいチップ制度に戸惑ったり、お人好しの日本人を狙っているスリの常習犯とも対峙しなければならない。


だから、若くて足腰が丈夫な内に海外に行っておいた方が良いと思う。
国内旅行は歳を取ってからでも遅くはない。


映画「LIFE」の中で、「世界を見よう、危険でも立ち向かおう、それが人生の目的だから」というLIFE誌のスローガンが出てくる。

危険に立ち向かうのはちょっと・・・だが、共感する部分はかなり多い。

×

非ログインユーザーとして返信する